論争の始まり

とりあえずあまりいないと思うがこのブログに訪れた人の便宜の為に私と「一読者」=海老蔵と名乗る「カジュアルな歴史修正主義者」との論争(?)
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20070310#c
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20070315#c
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20070319#c
について、要点をまとめながら紹介しよう。

きっかけは常石氏のブログの3月5日のエントリーであった。
http://tsune-3.cocolog-nifty.com/non_title/2007/03/post_e0fa.html
彼が歴史学に通じていないことは

日本では学者が資料を調べれば調べるほど、高給取りの戦地売春婦としか思えない実態が明らかになっており、「当時の国際法に照らして違法」だったか怪しく、むしろ同時期に各国にあった戦地売春婦の中で最も厚遇されていたとさえ思えます。

結局、この問題では、正確に事実を調査して公表し、世界一待遇の良かった戦地売春婦に対してその名誉感情を尊重してウソの謝罪をしたのが間違いでしたと世界的に公表すべきだと思います。

からも窺える。「世界一待遇の良かった」と言っている歴史学者などどこにいるのか?ベースとなる知識が浅薄なくせに権威に寄りかかって他人を威圧しようとしているインチキぶりが見て取れる。せいぜい小林よしのりを読んだくらいだったのだろう。

終戦間際に日本の戦争犯罪を必死に調べ、南京事件では虐殺の被害者数を大幅に水増しすることには成功した東京裁判をはじめとする連合国の多数の戦犯法廷が、慰安婦関連では、インドネシアの白馬事件しか処罰していないのは、それ以外は処罰に値する行為だとは捉えていなかったことの証左ではありませんか?

これもいかにも陳腐な議論である。彼の中では有罪判決の数=犯罪の数という等式が成り立っているようである。何が「証左」なのか全く意味不明である。そもそも戦犯裁判は全ての犯罪を裁きしかも裁かれるべきではない犯罪も裁いた(=過剰に裁きすぎた)といった単純なものではない。裁かれるべきものが様々な要因が働いて裁かれなかったというものもあるのである。ここからも彼は歴史に関して浅薄な知識しかないことを暴露している。近現代史に何の知識もないのに堂々と、歴史学の権威を騙ってコメントを書き付けるとはいい度胸である。恥知らずとも言うが。

彼は一通り浅薄な歴史認識を開陳してこう迫る。

仮に違法な実態があったとしても、政府や軍が主体的に関与していなかったら、それは朝鮮人が多かったという業者の責任です。
仮に違法な実態に政府や軍が主体的に関与していたら、日韓基本条約時の請求権条約で解決済みということになるのが、締約国の当時の公式解釈からは理論的な帰結です。