日本政府の賠償問題に対する考え方

http://d.hatena.ne.jp/nomore21/20070321/1175654816#c1175756911

時系列の点だけレス。

>取引条件として金泳三大統領は河野談話の約5ヶ月前にじらしにじらした国家補償不要カードを切っていたのですから、国家補償不要という取引条件で政治判断を促されたと見るのが自然です。

五十嵐氏を含む調査団は92年の8月に既に訪韓して盧泰愚政権の外務担当者、野党だった金大中氏、与党だった金泳三氏に会ってこの話を聞いています。つまり金泳三は自身のそれまでの発言をそのまま繰り返したに過ぎず、またそれは韓国政府の従来どおりの立場の踏襲にすぎません。韓国政界の全てが補償問題を考慮していなかったのです。従って韓国が「物的補償を問題にしない」ことはかなり前から日本にも周知されていたわけです。このとき明らかになったわけではありません。「じらしにじらした」とebizoh氏は主張するが、何を根拠にそう言われるのか、事実を持って御説明いただきたい。


さて韓国は「賠償問題」を将来取引材料に使えると思っていたのだろうか?では賠償問題についての日本のスタンスを見ておこう。

村山内閣の時に「女性基金」が誕生したのだが、そのときの政府の立場はもちろん「賠償問題は国家間条約によって解決済み」。しかし「元慰安婦」に関しては河野談話を受けて「お詫びと反省の気持ちをどのように表すかを検討中」というものだった。(五十嵐氏の談話による)


慰安婦に関して賠償問題を一切蒸し返さない」という立場を日本が韓国に要求し、その結果河野談話が出たのだとしたら「検討中」とはならないはずだろう。「賠償問題を蒸し返さない」ことと引き換えに「河野談話が出た」という「密約」の存在は既にここの段階で疑わしい。


そこでその「表現」の一環として「女性基金」が誕生するのだが、これは償いに充当するのは確かに民間からの寄附金だが、基金の維持運営に関わる事務所経費は、国から支出されるという「半官半民」の基金だった。さらに、実際に募った寄附が足りなかった場合足りない分は「政府が責任を持つよりしょうがない」とされた。政府は賠償問題でも腹を括る決意だったわけである。


どうだろうか。河野談話時に「賠償問題を蒸し返さない」ことを日本が求め、或いは韓国がそれをちらつかせて交渉が進んだとすれば、このような話になるだろうか?なるはずがない。日本は厳しい交渉の末「蒸し返さない」とせっかく韓国から言質を勝ち取ったはずの「賠償問題」を自ら勝手に「蒸し返した」というわけだろうか?まあその可能性も無くはないが、日本政府というプレイヤーを相当非合理的と仮定しなければ成り立たない説だろう。

河野談話はバーターにより誕生したのか

この議論のきっかけは私の以下のコメントである。
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20070310#c1173675177

ちなみにあなたは軍が主体的に関与しておきながら河野洋平という一官房長官が述べた談話だけで十分だとかそれすらも見直そうという人たちについてどうお考えでしょうか。

これに対する一読者氏のレスがこれである。

私は軍が主体的に関与したとは思っていませんし、河野談話に批判的な人たちの多くも同じ考えでは?
前提とする理解があなた方と違うので、違う結論になるのがむしろ当然では?
理論的には、軍が主体的に関与したと理解した場合にも、河野談話で十分とか見直そうとかする考えも成り立ちうると思います。
それは、おそらく当時の各国の慰安婦制度と比べてより悲惨だった訳ではないという考えに基づくのでは?

裏付けのない無意味な返答である。その旨コメントするとまたしても開き直りが始まる。

裏づけはいらないでしょ?あなたがどう思いますかと私に「意見」を聞いたので、私も意見を言っただけですよ。どちらの考え方がより客観的かを争ってはいないんですから、論理的推論のみで足りるでしょう。妄想とは、客観的にありえない非現実的な想像ですから、論理的推論とは別物ですね。これも誹謗の一種だと思いますよ。私はあなたのように一方的にレッテル張りはしませんけどね。

健忘症のようである。はじめに常石氏のブログで自ら「世界一の待遇」(ちなみにこれは大変に強い主張である)と断定しておいて「論理的推論」もヘッタクレもないものである。確かに妄想と論理的推論は「別物」ではあるが「論理的推論が現実性を担保する」とでも言いたいのだろうか?何が言いたいのかよく分からない無意味なコメントである。

それと、事実や資料についてはソースを常に念頭に置くべきですが、ロジックにはソースはいりません。理論的かそうでないかのみが問題です。ヴィトゲンシュタインの著作にはほとんど引用やソースはありませんが、高く評価されていますよね。

なぜここでヴィトゲンシュタインが登場するのか全く理解に苦しむ。歴史学の議論をするのに論理的可能性のみで史料に基づかない議論をやって評価された人の例があれば教えてもらいたいものである。

さて彼のコメントに対して私は再度こうコメントした。

そもそも軍が主体的に関与し、そこにおいて人権侵害行為が発生しているのに、(公式的な)謝罪すらしない、あるいは一官房長官の談話すらなかったことにしようとするというのはどういうことかと私は思います。何も責任を取りませんと言っているに等しいと言われても仕方がない。

これに対して一読者氏は

私は首相も公式に謝罪しているという認識です。歴代首相の河野談話の継承とお詫びって、そういう意味でしょ?

条約等の締結時に考慮されていなくても、河野談話以後の取り組みで考慮されて解決済みでしょう。それが日韓両国の外交信義というものです。

とコメントしてきたので私は

最低限河野談話の踏襲することが「外交信義である」というご認識に改められたということでこれも良かったです。ちなみに一官房長官の談話に過ぎないものを公式的な謝罪ととるかどうかは微妙なところでしょうね(ホンダ議員の求める公式的な謝罪とは国会による謝罪決議でしょう)。しかもそれを重みのあるものに高めようというならともかく、逆に常にその価値を低めようとし、それすらも覆そうという勢力がこの問題をこじらせているわけで。

と答え、この議論が決着したと思ったら、そうではなかったのである。

これも誤解です。改めてません。私は最初から河野談話修正ないし撤回必要説です。先に外交信義を破ったのは韓国側なのだから、日本だけ墨守することを押し付けられるいわれはありません。

私は、官房長官の談話を踏まえて歴代首相が何回も謝罪してるという認識だと言ってるでしょうが。
国会による謝罪決議が必要と考えるのは、ホンダ議員や中韓ロビーの勝手ですが、日本には日本のやり方があり、過去の犯罪のほとんどに謝罪していない米議会や中韓勢力に指図されるいわれはないですね。
価値を低めたり覆そうとしていると考えるのは、単にあなたの価値観に基づく主観。

この問題で世界中から非難を浴びているのにこの人にはそれが全てホンダ氏と中韓ロビーの陰謀に見えるそうである。そのようなセンスが今回の騒動を招いたことがまるで分からないらしい。「単にあなたの価値観にも基づく主観」?そうでないから問題が大きくなってしまっているのだ。「政治」について「無知」なのはどちらなのか、そっくりお言葉をお返ししておこう。

さてそれはさておき外交信義をはじめに破ったのが韓国で、踏襲・継承する義務はもはやないというわけである。だが、本当にそうだろうか?そこでその根拠を尋ねるとこういう答えが返ってきた。

http://www.sankei.co.jp/seiji/seisaku/070301/ssk070301000.htm
強制連行の証言の裏付けが無いのに、将来の賠償請求をしないことと引き換えに、談話を出すことを決定したという石原官房副長官(当時)の証言です。

また韓国の大統領が
http://blog.livedoor.jp/f_117/archives/15366370.html
で引用されているように「賠償請求発言」をした=明らかな外交信義違反であるというわけだ。

これについての私のコメントはこうである。

さて経緯についてですが河野談話をきちんと踏襲しているのかと疑わせる与党幹部・閣僚発言を御紹介しましょう。
http://www.bekkoame.ne.jp/~yamadan/mondai/rmal7/react402.html
これ以降も「日本の前途と歴史教育を考える(若手)議員の会」などは河野発言を堂々と否定してきましたし、98年には中川昭一農水相の否定発言もありました。河野談話は日本の政界でどれだけの重みを持っていたのか、持たされていたのか。外交信義違反というなら10年以上も前に為された談話を与党・政府内に浸透させることがなぜ日本側でネグレクトされ続けたのかも問われなければならないと思いますがいかがでしょうか。実際にこういうことが続いたので世界的にも「謝罪を曖昧にする国」というイメージが定着したわけでしょう。私は日本がそれほど誠意を持って河野談話を扱ってきたとは思いませんし、一方的に相手を非難できる資格があるとは思えませんが。というかですね。ノムヒョン氏の演説以降初めて「外交信義違反だ」ということで河野談話否定論が語られ始めたというのは、時系列でいっても因果関係で言ってもおかしな話だと思います。

「事実としては正しくないものをバーターの存在ゆえに仕方なく認めた」→取引の前提が破られた→河野談話は踏襲しなくてよい、という論理は成立しているのだろうか、ということだ。

これに対しての一読者氏の返答は以下。

外交信義違反かどうかでは、外交の責任者たる行政府の長の発言こそが問題です。責任負わない人が何言っても、反対派議員や閣僚の不規則発言というだけ。

なるほど、首相だけが外交信義を成立させるに当たっての当事者となりえ、それ以外の発言は不規則発言だと。
まあ仮に今この主張を認めておこう。
だが石原信雄氏はこんなことも言っているのである。

「強制性を裏づける資料は出てこなかった。証言を基に内閣の総意として判断したが、彼女たちが作り話をしているとは思えない」
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/kishanome/news/20070316ddm004070085000c.html

談話の根拠は証言にあるがそれは「正しい」という認識である。つまり河野談話は「事実ではないと分かっていたが取引に応じて出した」ものではなく、日本政府が正しいと思ったものを認めて出したものなのではないだろうか?それを指摘しても彼は強弁する。

石原氏の信用性についての感想は、個人の主観ですね。
国家として事実を認めるためには裏づけや信用性が不十分だったことも、石原氏は他の場面でのインタヴュアーには繰り返し述べていますね。

「国家として事実を認めるには」というのは非常に曖昧な表現である。そもそも「国家として事実を認める」に際して「証言だけではダメ」などというルールは存在しない。このエクスキューズは「逃げ」である。またその石原氏の発言を正確に引用して欲しいと言ったところしばらくたって彼はようやく次の記事を見つけてきた。

慰安婦強制連行 河野談話は総合的判断 石原前副長官、「謝罪」の経緯語る

1997年03月09日 産経新聞 東京朝刊 社会面より全文引用

 元慰安婦への謝罪談話を発表した宮沢内閣の加藤紘一河野洋平の両官房長官官房副長官として補佐した石原信雄氏(七〇)は八日、川崎市麻生区の自宅で産経新聞のインタビューに応じ、「いくら探しても、日本側には強制連行の事実を示す資料も証言者もなく、韓国側にも通達、文書など物的なものはなかったが、総合的に判断して強制性を認めた」などと語った。
 石原氏との一問一答は次の通り。
 −−河野氏は調査の結果、強制連行の事実があったと述べているが
 「随分探したが、日本側のデータには強制連行を裏付けるものはない。慰安婦募集の文書や担当者の証言にも、強制にあたるものはなかった」
 −−一部には、政府がまだ資料を隠しているのではという疑問もある
 「私は当時、各省庁に資料提供を求め、(警察関係、米国立公文書館など)どこにでも行って(証拠を)探してこいと指示していた。薬害エイズ問題で厚生省が資料を隠していたから慰安婦問題でも、というのはとんでもない話。あるものすべてを出し、確認した。政府の名誉のために言っておきたい」
 −−ではなぜ強制性を認めたのか
 「日本側としては、できれば文書とか日本側の証言者が欲しかったが、見つからない。加藤官房長官の談話には強制性の認定が入っていなかったが、韓国側はそれで納得せず、元慰安婦の名誉のため、強制性を認めるよう要請していた。そして、その証拠として元慰安婦の証言を聞くように求めてきたので、韓国で十六人に聞き取り調査をしたところ、『明らかに本人の意思に反して連れていかれた例があるのは否定できない』と担当官から報告を受けた。十六人中、何人がそうかは言えないが、官憲の立ち会いの下、連れ去られたという例もあった。談話の文言は、河野官房長官谷野作太郎外政審議室長、田中耕太郎外政審議官(いずれも当時)らと相談して決めた」
 −−聞き取り調査の内容は公表されていないが、証言の信ぴょう性は
 「当時、外政審議室には毎日のように、元慰安婦や支援者らが押しかけ、泣き叫ぶようなありさまだった。冷静に真実を確認できるか心配だったが、在韓日本大使館と韓国側が話し合い、韓国側が冷静な対応の責任を持つというので、担当官を派遣した。時間をかけて面接しており当事者の供述には強制性にあたるものがあると認識している。調査内容は公表しないことを前提にヒアリングを行っており公表はできない」
 −−韓国側の要請は強かったのか
 「元慰安婦の名誉回復に相当、こだわっているのが外務省や在韓大使館を通じて分かっていた。ただ、彼女たちの話の内容はあらかじめ、多少は聞いていた。行って確認したということ。元慰安婦へのヒアリングを行うかどうか、意見調整に時間がかかったが、やはり(担当官を)韓国へ行かせると決断した。行くと決めた時点で、(強制性を認めるという)結論は、ある程度想定されていた」
 −−それが河野談話の裏付けとなったのか
 「日本側には証拠はないが、韓国の当事者はあると証言する。河野談話に『(慰安婦の募集、移送、管理などが)総じて本人たちの意思に反して行われた』とあるのは、両方の話を総体としてみれば、という意味。全体の状況から判断して、強制にあたるものはあると謝罪した。強制性を認めれば、問題は収まるという判断があった。これは在韓大使館などの意見を聞き、宮沢喜一首相の了解も得てのことだ」
 −−談話の中身を事前に韓国に通告したのか
 「談話そのものではないが、趣旨は発表直前に通告した。草案段階でも、外政審議室は強制性を認めるなどの焦点については、在日韓国大使館と連絡を取り合って作っていたと思う」
 −−韓国側が国家補償は要求しないかわり、日本は強制性を認めるとの取引があったとの見方もある
 「それはない。当時、両国間で(慰安婦問題に関連して)お金の問題はなかった。今の時点で議論すれば、日本政府の立場は戦後補償は済んでいるとなる」
 −−元慰安婦の証言だけでは不十分なのでは
 「証言だけで(強制性を認めるという)結論にもっていったことへの議論があることは知っているし批判は覚悟している。決断したのだから、弁解はしない」

これは非常に興味深い記事である。「韓国側が国家補償は要求しないかわり、日本は強制性を認めるとの取引があったとの見方もある」という直球の質問に対して石原氏は「それはない」と明確に否定しているのである。「元慰安婦の証言だけでは不十分なのでは」という更なる追及に対しても「議論があることは知っている」としか答えていない。つまりこの記事は「取引」が存在したことを全く示していないのである。

仮にこの石原氏の証言を認めたとしても(繰り返すがこれは「取引」の存在した根拠としては不十分である)、一読者氏の持論によると外交信義を左右できるのは「行政府の長だけ」なのだから、所詮「官房副長官」でしかない石原氏の考えは「不規則発言」程度の重みしかないはずである。つまり一読者氏は、当時の首相である宮沢氏、または譲りに譲って最低限、談話を出した当事者たる河野氏の発言・認識を挙げなければならないはずである。また韓国の方の非公式な打診も同様である。外交信義に必要なのは行政府の長の合意なのだとすれば、その打診を行ったのが大統領クラスでなければ話にならないはずである。

ちなみにいちいち挙げないが例えば河野氏は自らの談話に関する事実認識について「正しい」という認識をそれこそ「繰り返し」披瀝していることも付け加えておく(一読者氏が「資料検索が苦手」というなら挙げてあげてもいいですが)。

まとめると現時点での結論はこうである。
「事実としては正しくないものをバーターの存在ゆえに仕方なく認めた」という事実は全く確認されていない。それどころか当事者の誰もがそれを「正しい」と認めている。

先に外交信義を破ったのは韓国側なのだから、日本だけ墨守することを押し付けられるいわれはありません。

「日本だけ墨守することを押し付けられている」という事実は全くない。従軍慰安婦問題について

河野談話以後の取り組みで考慮されて解決済みでしょう。それが日韓両国の外交信義というものです。

という立場を一読者氏が一貫してとっているのであれば、河野談話を踏襲することこそが「外交信義」である。

ebizoh氏へのレス(6)

http://d.hatena.ne.jp/nomore21/20070321/1175282909#c1175648843
その他の回答漏れのもの。

ほらほら、最初に議論を拡散したのはノーモア氏ですねw

私は話をすり替えにすり替えて「為にする議論」をしたことはない。

秦氏は、同時期の各国の慰安婦制度と相似する(同レベルとほぼ同義か?)と何回も主張されています

?あなたは悲惨だとか何とか「待遇について」の話をしていたのだが。秦氏が同時期の各国の慰安婦制度の「待遇」について比較検討している部分を見せてほしいのだが。それが裏づけというものだ。

『世界一の待遇』の部分は、海老蔵説です。

ミッチナレポートの解釈については、自由主義史観派が決まって出してくるものである。がまず、第一に慰安所が他に多数にあったのにそれだけ出して「待遇がよかった」ましてや「世界一の待遇だ」などと吹いて回るのはほとんどデマの類であるということが分からないのだろうか?また、ミッチナレポートの解釈には非常に注意が必要というのはネット上では
http://members.at.infoseek.co.jp/ash_28/ca_i02.html
を見てもらえればいいかもしれない。

家を故郷に建てた事例や高収入高貯金の事例が多数

多数?母数に対する割合は?そしてそれが一般的だったと何故言えるのか?

これと同程度の高待遇の他国の軍慰安婦の存在を知らない

知らないのに勝手に「世界一」とか言っているわけ?あなたの頭は本当に大丈夫だろうか?他国の慰安婦のことも知らずに「世界一の待遇」と断言し日本で公式発表せよと?

歴史学の議論じゃないでしょ?現在の河野談話の政治的な意味合いの把握、とい
う論点についての論理的可能性なんだから。

河野談話の内容の検証についてはもちろん河野談話を政治的意味合いを評価するにしてもその前後の文脈(歴史的文脈)の事実関係の把握は不可欠である。論理的可能性だけでものが言えるという主張は、当然私の理解力を超えている。

引用部分の後のコメントで、世界のマスコミの多数派の見解は中韓勢力の主張とほぼ同様になっていることを私は認めている

そうですか。では「主観」などという安易な断定は以後されないことですな。

ebizoh氏へのレス(7)

http://d.hatena.ne.jp/nomore21/20070402/1175505240#c1175822928

説明がラフすぎましたね。
秦氏は学者なので、プロパガンダというどぎつい言葉は明示的には用いていません。

当たり前である。吉見説をプロパガンダ呼ばわりするアカデミシャンは存在しない。責任を擦り付けられた秦氏もいい迷惑であろう。しかも彼自身が判断したという根拠もいい加減である。

朝日新聞慰安婦に軍関与という陸支副官通牒を報道した1992年)一月一一日といえば、(宮沢首相)訪韓の五日前にあたる。今さら予定の変更もできず、かといって韓国側の猛反発への対応策を立てる余裕もない。私はタイミングの良さと「関与」という曖昧な概念を持ち出して、争点を絞った朝日新聞の手法に「やるもんだなあ」と感嘆した。』
朝日新聞の辰野哲郎記者が吉見から情報を入手したのは一二月二四日頃なので、発表まで二週間以上も寝かされていたものと推定される。』

どこをどう見ても秦氏は「朝日新聞」の手法を皮肉っているだけである。

明らかに、朝日新聞と吉見氏の連携プレーのプロパガンダ

「連携プレー」とはいかなる妄想力の結果なのだろう?どう読めばそうなるのか、常人の理解を超えているとしか言いようがない。この人が必死に私のコメントを「誤解曲解」だの「理解力がない」などと偉そうに言うのだから何をかいわんやである。

秦氏が吉見氏は論点をすりかえた又は新たな論点を発掘wしたという認識を有していた

「吉見氏が論点すり替えた」と言っているというのは秦氏の見解だ、とのことだが、これに関しては秦氏自身事実に基づいた根拠を全く述べていないので話にならない。話は簡単である。吉見氏の著作、発言を示してすり替えを提示すればいいのである。「誰かがそう思っていたこと」と「事実」の混同をまさか、頭のよろしいebizoh氏はされていないだろう。秦氏が無謬であることを信じる信者なら別だが。

歴史学者に依拠していない部分を一々明示的に断らねばならないとしたら、歴史オタクサロンでトリビア比べをして悦に入っていればいいのである。

で、その個人的見解があまりにいい加減なので指摘しているわけだが。

被害女性が名乗りを上げたのも、90年代に日本人が韓国に渡って国家補償請求の原告探しを始めたから。それ以前に名乗りをあげなかったのは、違法な問題だと当事者が意識していなかったことを推認させる。

「現代の日本においてさえ」、性暴力を受けた人が(違法だと思っていても)様々な事情により名乗りでられないことがあると言うのは常識だと思うのだが。

またそもそも中国でも強制売春を始めとする性暴力の問題は戦犯裁判時に提起されていたわけで、韓国の当事者だけあなたの言う「法意識」がなぜかなかったとするのは極めて不合理だと思うが。その時点で調査が進んでいなかった→協定の妥結が政治的に急がれて見逃された部分が大きいと見るほうがきわめて自然ではないだろうか。

ebizoh氏へのレス(4)

http://d.hatena.ne.jp/nomore21/20070401/1175431569#c1175500714

慰安婦決議案の事実関係部分の多くが、中韓ロビーと吉見氏らの著作のプロパガンダに基づくもの。

秦氏の見解ならば正確に引用出来るはずだが。もう一度繰り返す。どの部分がどのように間違っていて誰によるプロパガンダなのか?これについての秦氏の見解をきちんと述べなければ話にならない。

歴史事実に通じているはずの吉見氏の立論は、多くの批判を浴びているのですから、歴史知識の多寡は問題じゃないでしょう。重要なのは本質をつかめるかどうかです。プロパガンダ説は秦氏に由来します。

だからそのプロパガンダ説とやらを正確に引用してもらわないと話にならない。吉見氏の説を秦氏プロパガンダ呼ばわりした部分を教えて欲しい。

いやいや、現時点で私がそう思うだけ

思っただけと。思いつきでデタラメな議論を偉そうに書き付けたことは認めたわけですな。歴史学の権威をかさにきるのは諦めたと。では「歴史学上何の根拠もない暴論ですが」と何故書いておかない?(笑)
で、「世界一の待遇」についてはどうして実証されないのですか?

しかし、この点については、独立後の各国家が日本と戦時処理の条約を結ぶ時点(行為当時よりさらに後の時点)の法意識において問題がある違法な犯罪と考えたのであれば、交渉時の記録に残っているはずなのに、一切残っていません。つまり、行為当時より後の条約交渉時においてすら、旧植民地諸国家の交渉担当者は慰安婦は違法とは考えていなかったことを推認させるのですよ。

そもそも「考慮されていない・文書に残っていない」=「法意識がない」という前提が正しいとは思われない。被害女性が名乗りを上げ、実態が明らかになり始めるまで長い時間がかかっていることをお忘れなく。条約交渉時にあらゆる材料が出揃い、全ての実態が明らかになった上で交渉が行われたという前提を置かなければ成り立たない議論ですな。

ebizoh氏へのレス(3)

http://d.hatena.ne.jp/nomore21/20070401/1175390331#c1175497491

さてせっかく論点を整理したのだからそれに沿ってコメントして頂きたいものです。
その方が見やすいので。
でなければこれ以降削除します。ここは私のブログなので私の管理の方法に従ってください。
あなたが論点をいかにずらしているかを誰の目にも明確にする意味もありますが(笑)

私もブサヨ的な行動をしているとおっしゃりたいのですか?

いいえ。典型的なクリシェに過ぎないものを、ムキになってお使いになるとはなんとも微笑ましいと皮肉を申し上げた次第です。

誤解して論点を勝手に取り違えて作っていますね。
カナダでの裁判は、独立国である以上、米判例には拘束されませんから、米とは違う判断がなされる可能性は十分残っています。カナダが訴訟の場になるということを言ってるんですよ。

そんなこと分かってますが。で、それがこれまでの議論と関係がないので、それが因果的に関係していることを示して頂きたいと言っている訳です。こんな簡単な話も分かりませんか?

判例解釈できるケースだったとしても、あなたにはちんぷんかんぷんでしょ?このようなシンプルなイシューで判例変更されるとしたら、米連邦政府の公式見解(条約で解決済み)が変更されるか、民主党政権最高裁判事の入れ替えをして判例変更するか、という政治的な要素が最大の要因でしょうね。それより、あなたは、少数説のロジックで日本の裁判所や政府には針の穴をとおすような極小の可能性の履行を強要したがっているのに、米政府や米最高裁にはそのことを一切期待していないと言う偏頗ぶりに、日本への甘えと対米恐怖症を露呈していますよ。

で、法律家の視点から見ても最大の問題は世論=政治の問題だと認めたんですね。で、あなたの示したサイトは陰謀論に過ぎないことを認めたわけですか?
なら結構です。
ちなみに私は「可能性は低い」という認識を一貫して示しています。別に強要した覚えもありませんよ。一体どこにそれが書いてあるのでしょうか?勝手に暴走して自己矛盾するような議論を展開されていたのはあなたでしょうが(笑)
あとはあなたが事実誤認とやらを示してそれが因果的に国家賠償に繋がること、そしてそれが相当程度明白かつ差し迫った危険であることを示してくれれば議論に応じます。
さっさと宿題を片付けてくださいね。

日本に負わされた冤罪はあまりにも大きいですから。

どこが何と比べてどれだけ大きいんですか?情緒的な議論がお好きですね。そういうのは無意味だと何度も申し上げてきたわけですがまだ分からないのですか?

証拠の重要な1ピースとなりうるということです。
ただし、請求権協定と付属文書を提出すれば、少数説のロジック自体がほぼ排斥されるでしょうが。

あなたが長々と展開されてきた話は可能性のほとんど無い陰謀論だということでよろしいでしょうか(笑)

『総合的判断』だと言う言い訳を述べられています。

その総合的判断=「客観的に評価すれば、法的には事実と認めるに足るだけの証拠は無かったが、政治的判断で事実と認めた」という意味であるというのはいかなる根拠に基づくのですか?

個人的に事実が正しいと思っても、国家機関として判断するには、何よりも第一には法的基準で判断すべきことは常識です。

そのような決まりが存在して、それに関していかなる例外もありえないことをお示しにならなければ負け犬の遠吠えですな。あのですね、あなた専門家なんでしょ?もう少しきちんと論証してくださいよ。ちなみにここは蛇足ですが私は歴史の事実認識と法廷における事実認定って全く性質が違うと思っているんで、何でもかんでも法的基準を適用しなければならないというのはナンセンスだと思ってるんですがね。あなた法律しか自信がないから、そこに土俵を移したいのは痛いほど分かるんですけど(笑)

しかもまた論点をずらしてますね。結局河野談話事実認識において「正しくない」と思っていた当事者って誰なんですか?その当事者が独りもいないのに、「正しくないがバーターゆえに応じた」ということがなぜ言えるのかをしつこく問うているわけですが結局お答えはないということなんでしょうか?

問題は収まるという判断があった。

その「問題」とは何か具体的に述べて頂けませんかね。そもそも、国家賠償の問題は全く頭になかったわけですよ?誰の頭にもなかったことをどうやって了解するんですか?そしてどうやってそれをバーターと認識するんですか?何が「誤解」なのか分かりませんが、屁理屈のこね方が今ひとつですな。頑張って下さい。

韓国が日本側に補償を求めないという密約があったとしたら、韓国政府がそれを忠実に守ったということを間接的に推認し得る証拠です。

?あなた「基金」ではなく国家賠償の話してたんじゃないんですか?ま、「やり直し」って感じですね。

吉見氏が広義の強制連行説を打ち出したことを意味します。
そこで、あなたは、これ以前に広義の強制連行を問題にしていた刊行物を渉猟検索して示せば、吉見氏の論点すり替えは従犯ないし共同正犯で、正犯が他にもいることは示せます。

なんかもう必死ですな(笑)で、あなたは示せないと言うことでよろしいですね(笑)私にそれを示す義務はありません。

人権問題マイノリティ問題フェミニズム問題などと考えて賛成派になった米議員らも当然いたでしょうね。

あなたの話だと、アメリカのマスコミだけでなく世界中の多くのマスコミも中韓ロビーの影響で動いているとも言えてしまう。早く陰謀論から目覚めてくださいね(笑)

あなたは、その原因に気づくのが遅れた点で、私やゆーき氏より頭が悪いのです。

私は今でもあなたが嘘をついている或いは逃げているだけだと思っていますから(笑)

後者は、宮台氏が専門外の立場から一般人にも分かりやすく議論の状況を中立的に整理する能力の高さを評価したものです。

私は彼の専門外の分野に口を出すやり方は極めて危なっかしいと「評価」しております。

いや、そんなこと分かってますけど?
李容珠氏や黄錦周氏は、実態は売春婦だから詐話師だという評価が多くなっていますね。

分かってるならきちんと区別した上で論証してください。
他人の評価に寄りかかって断言されるのは逃げですな。でないと根拠はまたしても「思っただけ」ということになりますよ。

櫻井氏が少なくとも南京問題では信用性に欠ける事は共通認識になりました

ああそうなんですか。秦氏の本を読まれてそこは認識を改めたんですね。で、南京事件においての事実の歪曲、史料の「つまみ食い」の一切が旧日本軍を免罪する方向に向かっているということは明らかです。その非学問的な方法論的特徴と合わせれば彼女はまさに歴史修正主義者であるといってもいいわけです。そして学問的には破綻しているはずのものを未だに「何度も繰り返し」主張している。だから「デマゴーグ」と言いました。何か問題でも?またそのような人間が従軍慰安婦問題でどれだけ精度の高いものを述べるのかということでしょうな。
http://blog.yoshiko-sakurai.jp/2007/03/120.html
「今回の慰安婦関連の非難は水面下で、間違いなくあの一連の対日企業訴訟とつながっている。」
ふーん「間違いなく」とか言っちゃってますよ。これ根拠のないデマじゃないんですか?

まああなたが参照したいなら止めませんよ。で、青狐氏が都合よく編集した箇所ってどこなんですか?

吉見氏が多くの批判を浴びていることでも分かるはずでしょう。

あなたのように言いがかりをつける人間も多いわけですが(笑)

外形上だけでも日本から補償されれば受け入れる可能性は大きいと思いますよ。

根拠はまたしても「思っただけ」。じゃあ私もそのプロジェクトとやらに付き合う義理はありませんな。

政治的判断で行おうとしても、一般国民に冤罪部分が相当明らかになっているので、反発が大きくてもう無理でしょうね。

宮台氏の口真似を言えば外交の要諦は国益追求であって人気取りではありませんからね。
ちなみに修正主義者からの人気がなくなってもそれを地盤としていない人なら無理であるとまでは言えない。
で、「名声が高まるかもしれない」ということについては同意されるんですか?

ebizoh氏へのレス(5)

http://d.hatena.ne.jp/nomore21/20070402/1175502649#c1175512406

また自分が誤解していたことを認めないで言い訳をする。元コメントを読めば、北米での訴訟濫発の危険性を話しているのであって、米国だけに議論を限定したのは、あなたの勝手な思い込みですよ。

この人はずっとアメリカの話をしていて、勝手に(私は了解していない)カナダの話を始めた挙句、私の方を非難してきた。すごい神経である。同じことを繰り返させないでほしい。それまでずっとアメリカの話をしてきたのに何故カナダの話が関係があるのか?それが因果的に今回の決議案と連関しているということを示して欲しい。因果的に関係していないということは認めるんですか?ついでに答えに漏れがあったので追加しておくが

決議案の内容を紹介したのはノーモア氏でしょ?
決議案の内容=ホンダ議員の明示された意図の最重要の一部ですよ。それを論じるのは流れからして当然。頭が悪いのでしょうか?

いや、また都合のいい編集しているけど、本気で頭が悪いのでしょうか?
私が決議案を提示したのはあなたが「ある」と主張していた「国家賠償に関わる記述がない」ことを示す為。で、決議案の内容そのもの、ホンダ氏事実認識の適否の検討に移った覚えはない。移る必要もない。流れからして当然というなら、ホンダ氏の事実認識の適否が「将来の予測」に因果的に関係することを示してからですな。

初めから政治問題が一番大きな割合を占めてるでしょ、既に。

私はそれを否定したことなど一度もないが、あなたは陰謀論サイトを提示して、弁護士の問題を延々と続けていたわけだが。

ニュアンスの発言

それはあなたの思い込みに過ぎない。私は民間基金による解決の方向もそれなりに高く評価している。

ノーモア氏は一つのコメントの中ですら矛盾を多数犯して私にその都度何回も指摘されてきたのに

思い込みだとか歪曲だとか誤解だという泣き言は何度も聞かされたが、矛盾はその都度何回も指摘されたことは覚えがない。正確に引用しなければ印象操作とみなしますが(笑)

外圧に押されて日本がする義務の無い国家補償を自発的にすることがノーモア氏のお望みなんでしょ?

正確に引用できない人なのだろうか?そのようなことを言った覚えはない。

冤罪部分が大きいという指摘とその具体的な議論は秦氏らの専門家がしてるでしょ?

「どこが何と比べてどれだけ大きいんですか?」とあなたに聞いているが答えになっていない。

いつのまにか議論の拡散の原因が私だけにあるかのような印象操作をしている。

事実そうなのだが。コメントをずっと読み返せば分かるし、私はそれを検証したわけです。

法的には請求が認められる可能性が低くても政治問題として外交圧力にはなるから、陰謀論ではないでしょう。米下院決議案だって、選挙区対策と同時に外交圧力が主目的というのが大方の見方ですよ。
河野談話は韓国や日本左翼の政治圧力に負けた結果の産物ですよ。

あなたは「ハイデン法の悪夢」の話をしていたのではなかったのか?論点をずらすのはもう体質なんでしょうな(笑)

石原氏や河野氏のこの問題についての発言に対して、秦氏含め多数の評者が同様の評価を発表されており、私もそれを基本的に支持しています。

河野氏が密約があったとする発言の引用がまだですが。ちなみに韓国は「被害女性の名誉の為に認めろ」とは言っていたと証言しているようですね。で、これが韓国側の「賭け金」という事でよろしいでしょうか?ちなみにあなたは韓国における賠償問題についての政府の態度についてどのような経緯があったのかについては当然押さえているんでしょうね?

理解力が低すぎるのはあなたですよ。だから私が何回も説明しなきゃならない。
金大中大統領は亜細亜女性基金と国家補償の二重取りはできないと思って生活支援の条件を設定されたかもしれないが、理論的にはどちらも給付を受けられますからその条件を撤廃してくださいと言うのが、基金側が韓国宛てに出したあの手紙の説明ですよ。

金大中がなぜこのような態度に出たのか、あなたの大好きな秦氏の本にすら解説が載っているわけですが、これだけ時間をあげたのにまだ読んでないんですか?

私が吉見氏の上記論点すり替えを立証した以上

全く立証されていないわけですが。あなたは吉見氏が広義の強制の問題「も」問題視していたことしか示せていません。で、「それ以前には官憲による強制連行のみが問題と言っていた」ことが判明してはじめて議論のすり替えになるわけです。また時系列も問題になるというのは、吉見氏が仮に百歩譲って「それ以前には官憲による強制連行のみが問題と言っていた」として、反論を受けてそこから、「広義の強制性が問題だ」言い出したならすり替えになります。でなければ、単に新たな論点を発掘しただけです。

以上の立証過程を全く踏まないで、立証したとはね。あなたは「論点のすり替え」という言葉がお分かりになっているんでしょうか?他人事ながら心配になります。

いや、あなたは早く現実に目覚めてくださいねw中韓ロビーは既に世界的イメージを作り上げてしまったから、世界のマスコミの多くもその影響下にあるにすぎません。

いや、陰謀論に反証は出来ませんから(笑)私にできるのはあなたを生温かい目で見守ることだけです。

その人間不信の原因はどこに?

私とのやり取りを最初から通読すればいいんじゃないですか?

私は、ロジックで納得させられれば、反対意見も受け入れますよ。

いや、難しいと思います。

同意しません。新たな国家補償をしても、道義的に高潔だという評価なんかうわべだけで本心では尊敬されないでしょう。それが弱肉強食の国際関係です。
同じような慰安婦制度を持った各国も含めてますます日本をあなどり、キャッシュディスペンサー国家扱いされるだけでしょうね。そういう名声は高まるかもしれません。

御説は承りました。これは以前もいいましたが、その点は立場の違いなので私からは何も言うべき事はありません。私は国際関係は弱肉強食だという認識自体を持ち合わせていないですし、本心からの尊敬なんて不確かなものも求めていない。「高潔に振舞った」という表面的事実が認識されれば、有形無形の恩恵を日本に齎すと考えているので。